民法改正!要件定義の間違いはベンダーの責任に!!

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民法改正!瑕疵担保責任から契約不適合に!!

天皇退位や、モリ・カケ問題や、共謀罪や、憲法改正といったニュースに気を取られている隙に、契約ルールに関する民法改正が可決されていました。今回の改正はビジネス全般に関わる内容で、IT業界へのインパクトも大きいと思われます。2020年頃までには施行されるようです。まだまだ先の話のように感じますが、知らないと損をする機会に遭遇する可能性も高いので、頭の片隅に置いておいた方が良いでしょう。

知らないで契約すると泣くことになる

今回の民法改正によって、契約時に注意すべきポイントを整理しました。基本となるポイントを抑えて、泣かされないような(損をしない)契約をしましょう。

瑕疵担保責任は使えない!

請負人の担保責任から「瑕疵」が無くなりました(第635条の削除)。「瑕疵」という言葉自体が存在しません。言い慣れた「瑕疵担保責任」という言葉は今後使えなくなります。ただ、「瑕疵」に該当する概念が無くなった訳ではなくて、請負人の担保責任として「契約との不適合」が問われます(第636条)。 ただし、「契約との不適合」の意味が明確になっていないので、請負人の想定より過大に責任を問われる可能性が考えられます。

忘れた頃に責任追及される可能性も!

責任期間が、これまで「仕事の目的物を引き渡した時から一年以内」だったのが、「注文者がその不適合を知った時から一年以内」に変わります(第637条)。改正後は、目的物を納品して何年も経ってから、不適合で責任を追及される恐れがあります。ここはとても注意すべき事項です。

責任追及できる時効は10年

責任期間については、2つの時効が設定されました(第166条)。「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき」、「権利を行使することができる時から十年間行使しないとき」この2つの時効の期間を考えると、最大10年までは責任を負わされる可能性が考えられます。かなりのインパクトを感じます。

民法改正の影響を考える

責任期間(従来の瑕疵担保期間)が延長される影響について考えて見ましょう。責任期間が延長されると、そのリスクを考慮した価格を設定する必要があるため、当然ながらコスト増を検討する必要があります。但し、特定の業界や企業だけではなく社会全体の話なので、お客様に対価の増額を要求することは可能でしょう。

ただ、実際のビジネスとしてお客様は契約額の据え置きや減額を望まれる事が多いと思います。その場合は、交換条件として個別の契約において責任期間を従来通り引渡し後1年とする交渉は有り得ると思います。この場合、契約が法の規定より優先されますので、結局従来通りの契約となる可能性はかなり高いと思います。

前途の通り、民間の場合は経済原理に従って個別の契約で責任期間を従来通りとする動きが考えられますが、官公庁や自治体の分野では同じ手法でのリスク回避は難しいと思われます。官の立場として法律を尊重しなければならず、特定の業者を優遇できない事情もありますので、個別の契約で責任期間を短くすることはないと考えられます。更には、法律が改正されてもIT投資の予算は増えないでしょうから、増額交渉も現実的ではありません。従って、責任期間の延長に掛かるコスト増をすべてベンダー側で被るリスクは高いと思われます。

民間でも官公庁のような動きが主流となった場合、リスク軽視や戦略価格が仇となって不採算プロジェクトが大量生産される事態になる可能性も考えられます。今回の改正だけでなく、プロジェクトが不採算とならないように、契約にリスクがないか、意識を払うこともプロジェクトをマネジメントする上で今まで以上に求められるスキルになる予感がします。

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