奈良県明日香村を散策していると、古代の歴史に思いを馳せながらも、現代的な食事やお土産を求めたくなることがありませんか?そんな時に立ち寄りたいのが「明日香の夢市」、そして「夢市茶屋」です。私も飛鳥寺や石舞台古墳を見学した帰りに偶然発見し、古代米カレーという珍しいメニューに魅力を感じて足を向けました。地元の食材を活かした料理と、明日香村ならではのお土産が揃うこの施設は、観光の合間にほっと一息つける貴重なスポットでした。

明日香の夢市と併設される夢市茶屋は、明日香村の中心部からやや南に位置する道の駅的な施設です。国道169号線沿いにあるため、車でのアクセスが便利で、駐車場も十分な台数が確保されています。
電車でアクセスする場合は、近鉄橿原線「橿原神宮前駅」からバスで約20分、または近鉄吉野線「飛鳥駅」からレンタサイクルで約10分程度の立地です。私は飛鳥駅からレンタサイクルで向かいましたが、のどかな田園風景を眺めながらのサイクリングも明日香観光の醍醐味の一つでした。

施設内は清潔感があり、地元の農産物直売所とレストラン、お土産コーナーが一体となった構造になっています。営業時間は朝9時から夕方17時まで(レストランは11時から15時まで)で、定休日は毎週火曜日です。
建物自体はそれほど大きくありませんが、効率よく配置された売り場には地元の新鮮な野菜や果物、明日香村特産の加工品がずらりと並んでいます。観光客だけでなく、地元の方々も日常的に利用されている様子で、地域に根ざした施設であることが伝わってきました。

古代米カレーライスは、明日香の夢市の看板メニューの一つです。価格は980円とリーズナブルで、古代からこの地で栽培されてきた赤米や黒米を現代風にアレンジした一品として提供されています。
実際に食べてみると、まず古代米の独特な食感に驚きます。白米とは明らかに違うプチプチとした歯応えがあり、噛むほどに素朴で深い味わいが口の中に広がります。この古代米が持つ自然な甘みと香りが、カレールーとの絶妙なハーモニーを生み出していました。

カレールー自体は、お婆ちゃんの家で食べるような優しくて懐かしい味わいが特徴的でした。派手なスパイスや複雑な味付けではなく、じっくりと煮込まれた野菜の甘みが感じられる、どこかホッとする味です。
具材には地元産の玉ねぎやにんじん、じゃがいもがたっぷりと使われており、一つ一つが大きめにカットされています。特に玉ねぎの甘み、ほろほろになった鶏むね肉の食感が印象的で、長時間煮込むことで生まれる自然な甘さが、古代米の素朴な味わいを引き立てていました。皆さんも子どもの頃に食べた、あの優しいカレーの記憶が蘇ってくるのではないでしょうか?
明日香村で栽培されている古代米は、飛鳥時代から続く貴重な品種です。『日本書紀』にも稲作に関する記述があり、この地が古くから農業の中心地だったことが記されています。現代の品種改良された米とは違い、古代から受け継がれてきた原種に近い特性を持っています。
特に赤米や黒米は、アントシアニンなどの栄養成分が豊富で、古代の人々にとって貴重な栄養源でした。現在でも健康食品として注目されており、明日香村では地域振興の一環として古代米の栽培と商品化に力を入れています。実際に食べてみると、この土地で1000年以上も前から人々が同じような味を楽しんでいたのかと思うと、不思議な感動を覚えました。
食事を楽しんだ後は、併設されているお土産コーナーも見逃せません。明日香村ならではの特産品が数多く揃っており、観光の記念品選びには最適な場所でした。
古代米を使った商品はもちろん、明日香村の歴史にちなんだオリジナルグッズや、地元の農家が作った加工品など、バラエティに富んだラインナップが印象的でした。価格帯も手頃なものから贈答用の高級品まで幅広く、用途に合わせて選ぶことができます。
私が特に気に入ったのは、古代米を使った煎餅とお茶のセットでした。煎餅は古代米の香ばしさが活かされており、お茶は明日香村産の茶葉を使用した上品な味わいです。パッケージにも飛鳥の古墳や寺院がデザインされており、明日香観光の思い出にぴったりでした。
その他にも、石舞台古墳をモチーフにしたキーホルダーや、飛鳥美人をデザインした手拭い、地元産の蜂蜜や梅干しなど、実用的で喜ばれそうなアイテムが豊富に揃っています。特に県外の友人へのお土産として、古代米のパックは珍しくて話題性もあるのでおすすめです。
観光客向けの商品だけでなく、地元農家が直接持ち込む新鮮な野菜や果物も魅力的でした。朝採れの野菜は都市部のスーパーでは味わえない新鮮さで、価格も非常にリーズナブルです。
特に印象的だったのは、地元のお母さんたちが手作りした味噌や漬物、ジャムなどの加工品です。どれも素朴で優しい味わいが期待できそうで、作り手の顔が見える安心感がありました。こうした地域密着型の商品は、大型の観光施設では見つけることができない貴重なものですね。

明日香の夢市は、明日香村観光の中継点として最適な立地にあります。石舞台古墳や飛鳥寺、高松塚古墳などの主要観光スポットを巡る途中で立ち寄ることで、効率よく観光を楽しむことができます。
私のおすすめは、午前中に石舞台古墳や飛鳥寺を見学し、お昼時に明日香の夢市で古代米カレーを味わうコースです。食事の後は、お土産を選びながら午後の観光プランを練ることができ、地元の野菜や加工品を購入して帰路につくという流れが理想的でした。
明日香村観光の醍醐味は、のどかな田園風景を眺めながらのサイクリングです。飛鳥駅や橿原神宮前駅でレンタサイクルを借りて、古代のロマンを感じながら各スポットを巡ることができます。
明日香の夢市までは、主要観光地からサイクリングで10~15分程度の距離にあり、適度な休憩ポイントとして活用できます。電動自転車なら坂道も楽々で、年配の方でも安心して利用できるでしょう。自転車を停める場所も十分確保されており、安心して施設を利用することができました。
現地での雰囲気や詳細な感想は、私のGoogleMapレビューにもまとめています。場所の確認や他の訪問者の口コミとあわせて参考にしてください。
参考 農村レストラン 夢市茶屋のGoogleMapレビューGoogleMap

明日香の夢市は、古代米カレーという珍しいメニューと充実したお土産コーナーが魅力的な、明日香村観光には欠かせない立ち寄りスポットです。お婆ちゃんの家で食べるような懐かしいカレールーと、1000年以上の歴史を持つ古代米の組み合わせは、まさにこの土地ならではの特別な体験でした。
地元の新鮮な農産物や手作りの加工品、明日香村オリジナルのお土産品など、観光の記念になる商品も豊富に揃っています。石舞台古墳や飛鳥寺などの歴史スポットを巡る合間に、ぜひ立ち寄ってみてください。きっと皆さんも、古代と現代が融合した不思議で心温まる体験ができることでしょう。明日香村の魅力を存分に味わえる、おすすめの施設です。