サントリーの天然水のビール工場 京都ブルワリーの工場見学をしてきました。ビール工場の見学を検討されている方向けに、京都ブルワリーの見学で学べること、楽しめることなどをシェアします。
工場見学は事前予約が必要です。予約方法は関連記事「サントリービール工場「京都ブルワリー」の工場見学を予約」をご確認ください。
サントリービール工場「京都ブルワリー」の工場見学を予約京都ブルワリーを訪問した感想
まずは忙しい方向けに京都ブルワリーを見学することで得られたことをザックリ紹介します。
- サントリーの水に対する取り組みが学べる
- ビールの原料や仕込み工程を学べる
- 3種類のビールが試飲できる(1人グラス3杯まで)
受付から見学コース中の対応、お見送りまで見学者の受け入れ体制が整っていました。終始気持ち良い応対でサントリーに対するLOVE度が上がる内容になっています。
サントリー京都ブルワリーが工場見学を開催している理由の1つに、「サントリーのファンを増やす」という目的もあるかと思いますが、しっかりと機能していると感じました。
京都ブルワリーへの移動
大阪メトロ 堺筋線と阪急京都線は相互直通運転をしています。休日ダイヤだとの場合、大阪メトロ 堺筋線から阪急京都 西山天王山堺筋線まで乗り換え不要で移動できる便があります。
堺筋本町から西山天王山までの乗車時間は48分。料金500円で時間にも財布にも最適な移動です。
平日ダイヤの場合は淡路駅で乗り換えが必要です。幸いなことに同じホームで乗り換えができるのが救いです。
阪急 西山天王山駅からサントリーの天然水ビール工場 京都ブルワリーまでは徒歩で約10分。西山天王山駅から京都ブルワリーへのシャトルバスが運行していますが、JR長岡京駅を経由する運行ルートなので約18分の乗車が必要です。
歩けば10分なので待ち時間を考慮すると歩いた方が格段に速いです。工場見学の最後に待っているビールの試飲をより美味しくするためにも10分間の散歩を楽しみましょう。
5分程歩くと京都ブルワリーの施設群が見えてきます。
京都ブルワリーの敷地沿いを正門目指して進んでいきます。毎年11月に開催される長岡京ガラシャ祭ののぼりが並んでいました。
ガラシャと言えば、細川忠興の正室、明智光秀の三女、キリスト教徒として有名ですね。このガラシャ祭では、細川ガラシャの輿入れを再現する行列(約1,000人)が約3kmを練り歩く催しがあるそうです。ほかにも模擬店や展示イベントなど約1週間に渡って様々な催しがあるそうです。
ちなみに、ガラシャは洗礼名。本名は明智玉(明智珠)。明治時代にキリスト教徒が彼女を讃えて「細川ガラシャ」と呼んだことから、近代では細川ガラシャを呼ばれる方が一般的。
正門にいる守衛さん「工場見学の方ですかー?」と元気に声をかけて頂き、見学受付へ案内して頂きました
見学者向け施設に到着
受付を終えると待合室に通されます。この施設内にはサントリーの魅力を伝えるシアタールーム、オフィシャルショップ、試飲ルーム、ビールに関する講座のためのセミナールームなどがあるそうです。
開始20分前に到着したので待っている人は少なめ。続々と参加者が到着し、この待合室の椅子が満席になる程度の人が参加していました。
訪問記念の写真撮影用に日付の入った背景、撮影用パネルが用意されていました。スタッフの方に声をかければ写真のシャッターを押してもらえます。
待合室に設置されているウォーターサーバー。サントリーさんが販売しているミネラルウォーター「南アルプスの天然水」が飲めます。
あまり見かけないタイプの紙カップが用意されています。調べてみたところ、冷水専用使い捨てペーパーカップ「おてがるCUP」という製品っぽいです。
見学開始までは併設されているオフィシャルショップで帰りに購入するアイテムの下調べをすることもできます。荷物になるので購入は見学後がオススメ。
ビールだけではなく、サントリーラグビー部のマスコット サンゴリアス君のぬいぐるみ、京都ブルワリーをデザインした今治タオルなども販売していました。
工場見学開始
全行程で約70分の工場見学がスタート。
まず最初にシアタールームで10分程度の動画を見ます。サントリーさんの水に対する活動が分かる内容に編集されていました。サントリーさんのYoutubeチャンネルでも動画が公開されています。
西山天王山(山崎)で美味しい天然水が採取できることからサントリーさんが、この地に工場を設置していることは知っていました。
でも、この動画を見るまでサントリーさんが美味しい天然水が100年先まで維持できるように山の環境整備に取り組んでいることを知りませんでした。
サントリーグループが国内工場でくみ上げる地下水量の2倍の水を涵養するという目標を掲げて活動。「サントリー天然水の森」は全国15都府県21カ所にあり総面積は約12,000ha。現在、目標を達成されています。
良質の天然水を維持することはサントリーさんにとってメリットのある活動ですが、工場が必要とする2倍の水を涵養されている点で、しっかりと地域に貢献されている会社だということを知ることができました。
京都ブルワリーの見学
待合室のある見学者向け施設から外に出て京都ブルワリーへ移動開始。
近くで見るとタンクがより大きく感じました。右側の1本だけ冷却水が入っていて、他のタンクはビール用とのこと。
このコーナーではビールの原料について知ることができました。
サントリーさんが水を大切にしている理由ですね。
ホップの匂いを嗅いだり、麦芽を食べたり、水がろ過されるメカニズムを見たり、プレミアム・モルツに必要な3つの原料について、見聞きするだけじゃなく体感することが出来ました。
巨大な仕込み設備の見学ができました。発酵や酵母を投入する設備です。ここで実際にプレミアム・モルツの仕込みがされているそうです。
日曜日の見学だったので生産ラインは停止中。仕込み設備の中は空の状態でした。
仕込み槽の中は撮影禁止なので、気になる方は見学へGOです!
工場稼働日(平日)に行くと、実際に仕込みをしている状態を見学できる事もあるそうです。ただ、実際に使われている施設なので、仕込み作業優先。場合によっては見学できない区域もあるそうです。
仕込まれたビールが貯酒されている場所。貯酒タンクはガラスの向こう側ですが、見学エリアもひんやりとしていました。
かなり奥までタンクが並んでいます。このタンクの中では、仕込み設備で生まれたビールが美味しく成長しているそうです。
仕込んだビールは低温で貯酒することで美味しく熟成されます。後発酵とも呼ばれる工程。仕込まれたばかりのビールで(若ビール)は、香りが未熟で味わいも粗いそうです。そのため、低温で熟成させることで糖分と酵母により発酵が進み、美味しいビールへと成長していくそうです。
原料、仕込み、貯酒タンクの見学を経てビール製造工程の見学は終了。
製造に関わる様々な人の思いがビール缶に詰められていきます。
思いが詰められてプレミアム・モルツが完成。
最後にビールを缶や瓶に詰める製造ラインを見学。ビール工場が稼働している日の見学であれば、実際に詰められている様子が見れるそうです。
残念ながら休日の見学だったのでパッケージング工程はビデオ見学となりました。
全行程の見学を終えると、裏手の出口から工場外に出ました。
ファミレス店長時代に使った記憶のあるビール樽が並んでいました。
3分ほどバスに揺られながら、最初の施設に戻ってきました。バスはプレミアム・モルツ仕様のスペシャルデザイン。
ビールの試飲
バスから降りたらゾロゾロと試飲スペースに吸い込まれていきます。
1回あたりバス1台分の見学定員ですが、試飲スペースの席数は3倍以上ありました。ゆったりと別の見学者との間隔を保って試飲できます。
この日は3種類のビールが試飲できました。試飲できる内容が変わることもあるそうです。季節限定の味が販売されている時には、その商品が試飲できるのではないかと思いました。
- ザ・プレミアム・モルツ
- ザ・プレミアム・モルツ <香る>エール
- ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム
枝豆味のGRATZが1つ貰えました。お子様向けにはビスケットもあって家族でも見学にもしっかり対応。車で訪問された方や、運転予定の方向けに、お茶(伊右衛門)、オレンジジュール(なっちゃん)も用意されていました。
まず最初に、普通のプレミアム・モルツが配られます。2杯目から他の種類を試すことができます。
グラス交換制ではないので、3種類を飲み比べる試飲がオススメ。
うわー!めっちゃ美味いやんけー!!
まず、一口目で驚き。自宅で飲むプレミアム・モルツと比べ物にならないくらい美味いし、その辺の居酒屋のプレミアム・モルツよりも美味かったです。
これがしっかりとメンテナンスされたサーバーで、鮮度の良いビールの実力か…。ザクとシャア ザクの違いくらいの実力差。
京都工場モデルのグラス。このデザインはオフィシャルショップでも売っていませんでした。
プレミアム・モルツを半分くらい飲んだところで、マスターズドリームを試飲。
プレモルよりちょっとビター感が強い。なんか味が深く感じる。
マスターズドリームを試飲したあと、普通のザ・プレミアム・モルツを飲んだら物足りなさを感じました。
飲み比べてみると、普通のプレミアム・モルツの味が薄く感じる。マスターズドリーム、凄っ!って実感しました。
プレミアム・モルツって市販されているビールの中では高い部類に入りますよね。こだわりのビールだけあって、マスターズドリームはもう少し価格が高めになっています。
容量も違うので、350mlに揃えるとマスターズドリームは367円になります。1本あたり100円くらい高くなります。でも、飲み比べると戻れないですよ。
サントリー直販ページの販売価格ベースで1本あたり56円の価格差。でも容量が異なります。
- ザ・プレミアム・モルツ 内容量:350ml 価格:267円(0.76/1ml)
- ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム 内容量:305ml 価格:323円(1.05/1ml)
マスターズドリームはたくさん飲めないけれど、美味しいビールを飲みたい人にオススメ。あと財布に余裕がたっぷりある人にも。ギフトなんかに最適な商品だと思います。
最後は、<香る>エール。登場した時に購入して飲んでみたけれど好みじゃなかった記憶だけ残っているビール。
これ、あんまり好きじゃない。
試飲した3種類の中では最下位。ラガー製法のビールの方が好きなのでエール製法の<香る>エールは僕の好みではないという理由で。
上面発酵で造られるビールがエール(ALE)、下面発酵で造られるビールがラガー(LAGER)です。エールビールの歴史は古くメソポタミア文明(紀元前3500年)にはエールビールを作っていた形跡があるらしいです。
ラガービールは冷却設備が普及し始めた近代に普及したビール。エールビールは熟成期間を入れて3週間。ラガービールは6週間くらいの発酵期間が必要です。
- エールビール 常温で発酵(20度前後)
- ラガービール 低温で発酵(10度前後)
京都ブルワリーの工場見学を終えて
事前に下調べして想像していた以上に内容が充実していました。実際に仕込み樽の中に仕込み中のビールが入っている様子を見ることができず残念でしたが、次の楽しみに取っておきます。次回は有料の見学コースに参加しても良いかなと思いました。
有料コースはお土産(グラス)があって実質無料な感じ。
今回の工場見学(ガイドツアー)は無料プランだったにも関わらず、しっかりと楽しませてもらえました。
感謝の気持ちを込めて、若干の割高感はありましたが、オオフィシャルショップで販売しているプレミアム・モルツの箱買いをしておきました。
工場から直送らしいので酒店で買うよりも少しだけ鮮度が良い状態で届くのかな…と期待しています。
京都工場限定のタンブラーとウイスキー樽材のチップを使った鮭の燻製も買ってみました。
サントリービール工場「京都ブルワリー」の工場見学を予約