朝起きると憂鬱な気分になって、通勤電車で胸が苦しくなる。職場での人間関係がうまくいかず、一日が終わるとどっと疲れてしまう。そんな「職場がしんどい」という気持ちを抱えていませんか?
私自身も会社員時代、上司との関係性や過重な業務量に悩み、毎朝「今日も行かなければ」と自分を奮い立たせていた時期がありました。その頃は、しんどさを感じる自分を責めてしまい、ますます心が重くなっていく悪循環に陥っていたんです。
でも、心理学を学ぶ中で気づいたのは、「しんどい」と感じること自体は決して悪いことではなく、大切なサインだということ。そして、考え方をほんの少し変えるだけで、心の負担をぐっと軽くできるということでした。
職場のストレスは現代では7割の人が感じている自然な反応で、決してあなただけの問題ではありません。重要なのは「距離を置く」考え方で自分の心を客観視することです。
ストレス軽減には「コントロールできること・できないこと」を分ける思考法が特に有効で、「完璧でなくても大丈夫」という自己受容が心の安定につながります。
認知行動療法の考え方を日常に取り入れることで対処力が向上し、小さな習慣の積み重ねが長期的な心の健康を支えてくれます。そして何より、しんどさを感じるのは真剣に向き合っている証拠でもあるのです。
2025年の調査によると、全体の7割が現職場でストレスを感じているという結果が出ています。これは決してあなただけの問題ではなく、多くの働く人が共通して抱えている課題なのです。
職場でのしんどさの背景には、大きく分けて3つの要因があります。一つ目は人間関係の複雑さ、二つ目は業務量や責任の重さ、そして三つ目は自分自身の考え方のクセです。
心理学的に見ると、私たちは日々無意識のうちに「自動思考」と呼ばれる瞬間的な判断を繰り返しています。ストレスなどで固まって狭くなってしまった考えや行動が、職場での苦しさを増大させている可能性があるのです。
職場でしんどさを感じたとき、まず試してほしいのが「心理的距離」を作ることです。これは物理的に離れるということではなく、感情と状況を分けて考える方法です。
例えば、上司に厳しく指摘されて落ち込んだとき、「私はダメな人間だ」と思うのではなく、「今、上司の指摘を受けて私は傷ついている」と状況を客観的に捉えてみます。この「私は」と「状況は」を分ける視点が、心の負担を軽減する第一歩になります。
認知行動療法では、悲観的になりすぎず、かといって楽観的にもなりすぎず、地に足のついた現実的でしなやかな考え方を大切にしています。完全にポジティブになる必要はなく、ただ少し離れた位置から自分を見つめることが重要なのです。
職場のストレスの多くは、「自分ではどうしようもないこと」にエネルギーを使ってしまうことから生まれます。他人の性格、会社の方針、突発的なトラブルなど、私たちがコントロールできないことは実はたくさんあります。
一方で、自分の反応の仕方、作業の進め方、休憩の取り方などは、ある程度自分でコントロール可能です。しんどいと感じたときは、まず「これは私にコントロールできることだろうか?」と自問してみてください。
コントロールできないことについては「今は仕方ない」と受け入れ、できることに集中する。この切り替えが、無駄なエネルギー消費を防ぎ、心の余裕を生み出します。
多くの場合、職場でのしんどさは「もっと頑張らなければ」「完璧にやらなければ」という内なる声から生まれています。でも、常に100%のパフォーマンスを求め続けることは、現実的ではありませんし、心身の健康にも良くありません。
大切なのは、「今日の自分はこれが精一杯」ということを認めてあげることです。調子の良い日もあれば、そうでない日もある。それが人間らしさであり、自然なことなのです。
私自身も、会社員時代は完璧主義に陥りがちでしたが、「7割できていれば十分」という考え方を取り入れることで、肩の力が抜けて、かえって良い結果が生まれることが多くなりました。
考え方を変えるといっても、一朝一夕でできるものではありません。日々の小さな習慣の積み重ねが、長期的な心の安定につながります。
朝の3分間の心の準備として、出勤前に今日一日で「コントロールできること」を3つ書き出してみてください。それだけで、一日への向き合い方が変わります。
帰宅後の振り返りタイムでは、「今日、よくがんばったこと」を一つだけでも見つけて、自分を褒めてあげましょう。小さなことでも構いません。
そして、職場でしんどさを感じたら、まず深呼吸を3回してみてください。これだけで自律神経が整い、冷静さを取り戻しやすくなります。
職場がしんどいと感じることは、決して恥ずかしいことでも、弱いことでもありません。それは、あなたが真剣に仕事に向き合っている証拠でもあります。大切なのは、その気持ちと上手に付き合いながら、自分らしく働き続けることです。
今回ご紹介した3つの考え方は、すぐに劇的な変化をもたらすものではないかもしれません。でも、日々少しずつ実践していくことで、きっと心の負担が軽くなっていくはずです。あなたの心が、もう少し軽やかになりますように。
職場での悩みは一人ひとり違いますが、考え方を少し変えるだけで心が楽になることがあります。無理をせず、自分のペースで試してみてくださいね。