5000円を払えば男爵の爵位が叙爵されるシーランド公国

貴族になりたいと思ったことはありませんか？　ヨーロッパのとある国では、男爵（baron）の爵位を44.99ドル（約5000円）で販売しているんです。今回は特別な苦労なく爵位を得る方法をシェアします。

爵位を叙爵（じょしゃく）してくれる国

どこの国が爵位を販売しているのかというと、イギリス南東部にあるサフォーク州から10kmの沖合にあるシーランド公国というミクロネーション。国土面積が世界最小と言われるバチカン市国よりも国土が様く、207平方メートル。2016年時点で人口は4人。シーランド公国が独立宣言をしてから50年の歴史があります。

日本最南端にある沖ノ鳥島（東小島）の面積が1.58平方メートルと言われているので、これよりは沖ノ鳥島よりは大きいです。でも、このシーランド公国は島国じゃないんです。

独立を宣言した海上要塞

シーランド公国はイギリスが第二次世界大戦中に建設したマンセル要塞の最北端に位置する海上要塞跡地が領土。1967年にパディ・ロイ・ベーツが独立宣言してシーランド公国と名付けました。

現在もシーランド公国は存在していますが、国家として承認した国は存在していません。あくまでもミクロネーション（自称国家）なんです。

国内生産はなく、食料自給率は0%

このシーランド公国は海上要塞を利用しているがために、自国内で何かを生産するということはできません。そのため輸入率は100%。ほぼ隣国のイギリスからの輸入に頼っている状況です。

自国内で食物の生産がなく、収益を上げる産業もありません。そこでシーランド公国は「爵位を販売する」という手段で収入を得ています。爵位だけじゃなく、シーランド公国グッズなども販売しています。

購入できる爵位

男爵（Baron）や婦人（Baroness）といった下位の爵位から、爵位（五爵）の第1位である公爵（Duke）まで幅広く販売されています。 ギャグ的な叙爵ですが、公爵になれるなんて少しワクワクしませんか？

• 男爵・婦人（Baron or Baroness）
• 騎士（Knighthood）
• 伯爵・伯爵夫人（Count or Countess）
• 公爵・公爵夫人（Duke or Duchess）

シーランド公国は次の時代へ

偽物の国家じゃん。って思うかもしれませんが、1967年の独立宣言から50年以上が経過しています。50年も国家だと言い続けているんです。

通貨があったり、国家放送があったり、1975年には憲法・国旗・国歌も制定されています。

それに国家の三要素とされるは領域（領土、領水、領空）、人民（国民、住民）、権力（主権）を満たしているかもしれないんです。領土ではなく海上要塞という点が領域を持っていると言い切れない部分もありますが…。

初代公国公の死とシーランド騎士団の設立

シーランド公国の独立を宣言した初代シーランド公国公ことロイ公殿下は2012年10月9日に91歳の命を閉じました。

現在は、摂政を務めていたマイケル・ベーツ公世子が父の後を継ぎ、2代目シーランド公国公に即位しています。マイケル公は、新たな試みとしてシーランド騎士団の公募を開始しました。

爵位の購入方法

日本で伯爵になるのは無理です。もう制度自体が廃止されてますし。でも、シーランド公国なら日本国籍でも爵位を得ることができるんです。飲み会のネタにしたり、〇〇卿と名乗りたい方は、シーランド公国ウエブサイトから申し込みしてください。

爵位の販売価格

• 男爵・婦人（Baron or Baroness）$44.99
• 騎士（Knighthood）$146.99
• 伯爵・伯爵夫人（Count or Countess）$294.99
• 公爵・公爵夫人（Duke or Duchess）　$734.99