今でもビジネス文書などで利用することのある時候の挨拶。季節の移り変わりに応じて、その時期にふさわしい言葉を利用しなければなりません。「○○の候」、「○○のみぎり」とか使い慣れない言葉が沢山あります。今回は、そんな中でもよく利用される挨拶の慣用句をシェアします。
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毎月変化していく時候の挨拶
時候の挨拶は「季節の移り変わり」に応じて使い分けられています。大きく分けて4季(春夏秋冬)に分けられるのですが、1年を360日として、それを24の季節に分けるという考え方(二十四節気)に絡めて挨拶に利用されていることが多いです。
二十四節気
何気なく利用している「立春」や「秋分」という言葉も、二十四節気という考え方による季節区分です。1年を24の季節に分けるという考え方は、月の満ち欠けを基準につくられた太陰暦が基になっています。- 新春の候
- 寒冷の候
- 厳冬のみぎり
- 酷寒の候
- 寒さ厳しき折
- 大寒の候
- 厳しい寒さが続いておりますが
- 木枯らしが身に染みる毎日ですが
- 余寒の候
- 残寒の候
- 春寒のみぎり
- 梅花の候
- 向春の候
- 立春の候
- 春は名のみの寒さでございますが
- 梅の便りも聞かれる今日この頃ですが
時候の挨拶(3月)
- 早春の候
- 春暖の候
- 浅春のみぎり
- 弥生の候
- 春まだ浅き折
- 啓蟄の候
- ようやく春めいてまいりましたが
- 寒さもゆるみ始めたようでございますが
- 桜花の候
- 花冷えの候
- 陽春のみぎり
- 仲春の候
- 惜春の候
- 晩春の折
- 春も盛の今日この頃ですが
- 春爛漫の季節となりましたが
- 余花の候
- 若葉の候
- 立春のみぎり
- 薫花の候
- 新緑の候
- 軽暑の折
- 新緑のさわやかな季節となりましたが
- 吹く風もしだいに夏めいてまいりましたが
- 初夏の候
- 青葉の候
- 麦春のみぎり
- 梅雨の候
- 向暑の候
- 梅雨寒の折
- 紫陽花の美しい季節となりましたが
- 蒸し暑い日々が続いておりますが
- 盛夏の候
- 炎暑の候
- 酷暑のみぎり
- 猛暑の候
- 驟雨の候
- 炎暑の折
- 梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが
- 厳しい暑さが続く今日この頃ですが
- 晩秋の候
- 立秋の候
- 暮夏のみぎり
- 秋暑の候
- 残暑の候
- 早涼の折
- 立秋とはいえ厳しい暑さが続いておりますが
- 暑さもようやく峠を越したようでございますが
- 初秋の候
- 秋分の候
- 秋冷のみぎり
- 新秋の候
- 秋涼の候
- 涼月の折
- 厳しい残暑もようやく衰えたようですが
- 朝夕はだいぶ涼しくなってまいりましたが
- 仲秋の候
- 秋雨の候
- 錦秋のみぎり
- 紅葉の候
- 秋晴の候
- 爽秋の折
- 日ごとに秋も深まってまいりましたが
- さわやかな秋晴れが続いておりますが
- 晩秋の候
- 初露の候
- 向寒のみぎり
- 立冬の候
- 暮秋の候
- 深冷の折
- 朝夕めっきり冷え込むようになりましたが
- 菊花の薫る季節となりましたが
- 初冬の候
- 師走の候
- 厳冬のみぎり
- 冬至の候
- 歳末あわただしき折
- 北風の冷たさが身に染みる今日この頃
- 師走を迎えてご多用のこととは存じますが
補足1:○○の候
この読み方は、「○○のそうろう」ではなく、「○○のコウ」です。元々は中国の暦で1年を360日として72等分した単位が候でした。現代で言うところの週です。なお、この候が2つセットになると「旬」と呼ぶ単位になります。この旬は現代でも上旬、中旬、下旬という表現で使ったりしますよね。 補足2:○○のみぎり
漢字で書くと「砌」となります。候と同じく時期を表現しています。候ほど厳密に時期を特定しない場合に用いられます。現代風に言うと「頃」みたいな感じです。