Yukishi log.
「AWSの請求書を見て青ざめた」「思っていたよりもコストが高くて驚いた」そんな経験はありませんか？
私自身、AWSを導入したての頃、想定していた月額5,000円が気づいたら20,000円を超えていて慌てた経験があります。プロジェクトマネジメントの責任者として、予算オーバーは絶対に避けなければならない事態でした。その時の焦りと反省から、徹底的にAWSのコスト管理について学び、実践してきました。
現在では、複数のプロジェクトで月額コストを平均40%削減しながら、パフォーマンスを維持または向上させる運用を実現しています。44歳になってから本格的にクラウドコスト最適化に取り組んだ経験から、即効性のあるコスト削減術をお伝えします。
💰 平均40%のコスト削減が可能
適切な設定変更だけで月額費用を大幅削減、年間では数十万円の節約効果
⚡ インスタンス最適化で30%削減
適切なサイジングとスケジューリングで最も効果の高いコスト削減を実現
📊 リザーブドインスタンスで最大75%OFF
1年契約で大幅割引、安定稼働のサービスでは必須の選択肢
🗄️ ストレージ最適化で50%削減
ライフサイクルポリシーと適切なストレージクラス選択で大幅コストダウン
🔍 監視アラートで予算超過を防止
CloudWatchとBudgetsで想定外コストの早期発見・対応を自動化
🧹 不要リソース削除で即効果
忘れがちな孤立リソースの削除で月額数千円の無駄を排除
📈 ROI向上とパフォーマンス維持
コスト削減しながらサービス品質は向上、ビジネス価値の最大化を実現
🎯 オーバースペックの罠
最も多いパターンは「念のため」の精神で必要以上に大きなインスタンスを選択することです。実際の使用率を測定すると、CPU使用率が10%以下のインスタンスが多数発見されます。
💤 停止忘れリソース
開発・テスト環境を起動したまま放置するケースが頻発します。私が担当したプロジェクトでも、週末に停止し忘れたEC2インスタンスにより月額10,000円の無駄なコストが発生しました。
📈 予期しないデータ転送料金
CloudFrontを適切に設定せず、EC2から直接大量のデータ配信を行うことで、データ転送料金が膨らむケースがあります。
🗄️ ストレージの蓄積
EBSスナップショット、S3の古いファイル、不要なAMIなど、知らない間に蓄積されるストレージコストが年間で数万円に達することがあります。
📊 監視体制の不備
コスト監視アラートを設定していないため、異常なコスト増加に気づくのが遅れ、大きな損失を被るパターンです。
あるプロジェクトで、開発者がNAT Gatewayを複数のアベイラビリティゾーンに配置し、さらに大容量のEBSボリュームを付けたままテストインスタンスを1ヶ月間放置していました。結果として、月額予算5万円のプロジェクトで15万円の請求が来る事態に。この経験から、定期的なリソース棚卸しとコスト監視の重要性を痛感しました。
📊 CloudWatch での使用率分析
過去30日間のCPU使用率、メモリ使用率、ネットワーク使用量を詳細に分析します。CPU使用率が平均20%以下のインスタンスは確実にダウンサイジングの対象となります。
💻 具体的なサイジング判断基準
CPU使用率10%以下：2つ下のインスタンスタイプに変更、CPU使用率10-20%：1つ下のインスタンスタイプに変更、CPU使用率60%以上：1つ上のインスタンスタイプに変更
🔧 実施例とコスト削減効果
m5.large（月額6,000円）からt3.medium（月額3,000円）への変更で月額50%削減。パフォーマンスの劣化なく大幅なコスト削減を実現しました。
⚡ AWS Compute Optimizer の活用
AWSが提供するCompute Optimizerは機械学習ベースでインスタンス最適化を推奨してくれます。私のプロジェクトでは、この推奨に従い平均25%のコスト削減を達成しています。
⏰ AWS Instance Scheduler の導入
開発・テスト環境では、平日9時～18時のみ稼働させることで約65%のコスト削減が可能です。週末や夜間の無駄な稼働を完全に排除できます。
🏷️ タグベースの自動管理
「Environment:Development」「Schedule:Business-Hours」などのタグを設定し、自動でスケジュール管理を行います。新しいインスタンスも自動的に管理対象となります。
💰 実績データ
10台の開発用インスタンス（t3.medium）を自動スケジューリングにより、月額30,000円から12,000円に削減（60%削減）しました。
🛡️ 本番環境での注意点
本番環境では24時間稼働が基本ですが、バッチ処理用インスタンスやステージング環境は積極的にスケジューリングを活用しています。
📊 使用パターンの分析
過去12ヶ月のインスタンス使用状況を分析し、常時稼働しているインスタンスを特定します。稼働率70%以上のインスタンスがリザーブド購入の対象となります。
💳 支払いオプションの選択
全額前払い：最大割引率75%、一部前払い：バランス重視で約50%割引、前払いなし：キャッシュフロー重視で約30%割引
🎯 購入タイプの使い分け
Standard RI：最大割引だが変更不可、Convertible RI：変更可能だが割引率は若干低下。私は将来の柔軟性を重視してConvertible RIを選択することが多いです。
💰 実際の削減効果
m5.large（オンデマンド：月額6,000円）→ リザーブド1年全額前払い（月額2,400円）で月額60%削減を実現しました。
🔄 柔軟性とコスト削減の両立
Compute Savings Plans は EC2、Fargate、Lambda に適用可能で、インスタンスタイプ変更の自由度が高いため、変化の多い環境に適しています。
📈 自動適用の仕組み
コミット時間（1年or3年）とコミット金額（$/hour）を設定するだけで、自動的に最適なリソースに割引が適用されます。
🎯 推奨利用額の計算
Cost ExplorerのSavings Plans推奨機能を使用し、過去の使用パターンから最適なコミット金額を算出します。通常、現在のコストの60-80%をコミットすることを推奨します。
💡 実運用での活用例
月額平均15,000円のEC2コストに対して、12,000円/月のSavings Plansをコミット。結果として月額コストを約35%削減しつつ、インスタンス変更の柔軟性を維持しています。
📅 自動階層移行の設定
30日後：Standard → Standard-IA（低頻度アクセス）、90日後：Standard-IA → Glacier、365日後：Glacier → Deep Archive の自動移行により大幅なコスト削減を実現します。
💰 ストレージクラス別コスト比較
Standard：$0.023/GB、Standard-IA：$0.0125/GB（約50%削減）、Glacier：$0.004/GB（約80%削減）、Deep Archive：$0.00099/GB（約95%削減）
🗂️ 用途別最適化戦略
アクティブデータ：Standard、バックアップ：Standard-IA、アーカイブ：Glacier、長期保存：Deep Archive として使い分けています。
📊 実際の削減効果
1TBのバックアップデータで、ライフサイクルポリシー適用により月額コストを23USD → 4USDに削減（約83%削減）しました。
🔍 不要ボリュームの発見
「available」状態のEBSボリュームや、削除されたインスタンスに紐づいていたボリュームが残っているケースが頻繁にあります。定期的な棚卸しで月額数千円の削減が可能です。
⚡ ボリュームタイプの最適化
汎用SSD（gp3）への移行により、gp2と比較して約30%のコスト削減が可能。パフォーマンスは同等以上を維持できます。
📏 ボリュームサイズの適正化
CloudWatchでディスク使用率を監視し、使用率30%以下のボリュームは適切なサイズに調整します。ただし、縮小はできないため新規ボリュームへの移行が必要です。
📸 スナップショット管理
EBSスナップショットの自動削除ポリシーを設定し、不要な古いスナップショットを削除。私のプロジェクトでは月額2,000円のスナップショットコストを削減しました。
🎯 多段階アラート設定
予算の50%、80%、100%、120%でアラートを設定し、段階的な警告システムを構築します。早期発見により大きなコスト爆発を防止できます。
📊 サービス別予算管理
EC2、RDS、S3など主要サービス別に個別予算を設定し、どのサービスでコストが増加しているかを即座に把握できます。
👥 プロジェクト別コスト配分
タグベースでプロジェクト別、部署別にコストを分析し、責任の所在を明確化。コスト意識の向上にも効果的です。
📧 アクション連動アラート
予算超過時に自動でSlack通知、メール送信、さらには Lambda 関数を実行してリソースを自動停止する仕組みも構築可能です。
📈 トレンド分析と予測
過去12ヶ月のコストトレンドから将来のコストを予測し、予算計画の精度を向上させます。季節性のあるサービスでは特に有効です。
🔍 異常値検知
日次コストの変動を監視し、通常の2倍以上のコストが発生した場合は即座にアラートを発信。設定ミスや攻撃による異常な課金を早期発見できます。
📊 リソース使用率分析
Cost and Usage Reports（CUR）を活用し、リソース単位での詳細なコスト分析を実施。最もコストのかかっているリソースを特定し、優先的に最適化を実行します。
🎯 ROI分析
各リソースのビジネス価値とコストを比較し、費用対効果の低いリソースを特定。私のプロジェクトでは、この分析により不要なサービスを月額5,000円削減しました。
ある日、通常月額2万円のプロジェクトで、朝9時時点で既に1万円のコストが発生していることをBudgetsアラートで検知しました。調査の結果、深夜に大量のEC2インスタンスが自動起動するスクリプトが暴走していることが判明。即座に停止処理を行い、被害を最小限に抑えることができました。監視システムがなければ、月末には10万円を超える請求になっていたはずです。
🔍 孤立EBSボリュームの特定
インスタンス削除時に自動削除されなかったEBSボリュームが「available」状態で残り続けているケースが多発します。AWS CLIで一括検索し、不要なボリュームを削除します。
📸 古いスナップショットの整理
自動バックアップで作成されたスナップショットが無制限に蓄積されがちです。保持期間を設定し、古いスナップショットを定期的に削除するポリシーを適用します。
🌐 未使用のElastic IP
インスタンスに関連付けられていないElastic IPは時間課金されます。使用していないElastic IPを発見し、即座に解放することで無駄なコストを削除します。
🚪 不要なNAT Gateway
開発環境やテスト環境で作成されたNAT Gatewayが放置されているケースがあります。月額5,000円程度のコストがかかるため、使用していないものは即座に削除が必要です。
💰 実際の削除効果
定期的なリソース棚卸しにより、孤立リソースの削除で月額7,000円のコスト削減を実現。年間では84,000円の節約効果となりました。
🤖 AWS Config による継続監視
不要リソースの自動検知ルールを設定し、リアルタイムで監視。コンプライアンス違反として検知された不要リソースを定期的にレビューし削除します。
⚡ Lambda関数による自動削除
「7日間未使用」「30日間停止状態」などの条件で自動削除を実行するLambda関数を作成。人的ミスを防ぎ、継続的なコスト最適化を実現します。
🏷️ タグ戦略による管理効率化
「Environment」「Owner」「Project」「ExpireDate」などのタグを活用し、リソースのライフサイクル管理を自動化。期限切れリソースの自動検知と削除を実現しています。
📊 週次レポート自動生成
不要リソース候補を自動で検知し、週次でレポートを生成。チーム全体で確認し、安全に削除作業を実行する体制を構築しています。
🌐 CloudFront最適化によるデータ転送費削減
オリジンからの直接配信をCloudFront経由に変更することで、データ転送料金を約60%削減。特に海外からのアクセスが多いサービスで効果的です。
🗜️ データ圧縮とアーカイブ戦略
ログファイルやバックアップデータをgzip圧縮してからS3に保存し、ストレージコストを約70%削減。さらにGlacierとの組み合わせで大幅なコスト削減を実現しています。
⚡ Spot Instance の戦略的活用
バッチ処理やCI/CDパイプラインでSpot Instanceを活用し、最大90%のコスト削減。中断耐性のあるワークロードで大きな効果を発揮します。
📊 実際の組み合わせ効果
これらの手法を組み合わせることで、あるプロジェクトでは月額50,000円のコストを月額18,000円まで削減（64%削減）しながら、パフォーマンスを向上させることができました。
🎯 リージョン最適化
使用頻度の低いリソースをより安価なリージョンに移行。特にバックアップやアーカイブデータで有効な手法です。
🔄 マルチクラウド戦略
コスト比較を行い、特定のワークロードを他のクラウドサービスと併用することで、全体的なコスト最適化を図っています。
📅 第1週：現状分析と即効性のある施策
Cost ExplorerでコストTOP10リソースを特定、不要リソースの削除、明らかにオーバースペックなインスタンスのサイズ変更を実行。この段階で20-30%のコスト削減が期待できます。
📅 第2週：監視体制の構築
AWS Budgetsとアラート設定、Cost Anomaly Detectionの有効化、週次レポートの自動生成を設定。将来的なコスト爆発を防ぐ基盤を構築します。
📅 第3週：ストレージ最適化
S3ライフサイクルポリシーの設定、EBSボリューム最適化、スナップショット管理の自動化を実施。長期的なストレージコスト削減を実現します。
📅 第4週：購入計画の立案
リザーブドインスタンスやSavings Plansの購入計画を策定。安定稼働リソースの大幅割引を実現し、長期的なコスト削減効果を確定させます。
📅 継続的改善フェーズ
月次でのコストレビュー、四半期での購入計画見直し、年次での全体最適化を実施。継続的な改善により、さらなるコスト削減を追求します。
✅ 即効性の高い削減効果
適切なサイジングや不要リソース削除により、実施当月から大幅なコスト削減を実感できます。
✅ パフォーマンス維持または向上
コスト削減と同時に、適切な最適化によりシステムパフォーマンスも向上する場合が多いです。
✅ 自動化による継続効果
一度設定すれば自動的にコスト最適化が継続され、運用負荷をかけずに効果を持続できます。
✅ リスク管理の強化
監視とアラート設定により、予期しないコスト増加を早期発見し、リスクを最小化できます。
✅ 組織全体のコスト意識向上
明確な監視体制により、チーム全体のコスト意識が向上し、無駄な支出が自然と減少します。
✅ スケーラブルな最適化
小規模環境から大規模環境まで、同じ手法でスケーラブルにコスト最適化を適用できます。
❌ 過度な最適化によるパフォーマンス劣化
コスト削減を重視しすぎて、システムパフォーマンスが劣化するリスクがあります。適切なバランスが重要です。
❌ リザーブド購入の計画性不足
将来の使用量を正確に予測せずにリザーブドを購入すると、かえってコスト増加につながる可能性があります。
❌ 自動削除による重要データ損失
自動化設定が過度に積極的すぎると、重要なデータやリソースを誤って削除するリスクがあります。
❌ 複雑化による運用負荷増加
過度に複雑な最適化ルールは、運用負荷を増加させ、結果的にコスト増加につながる場合があります。
❌ コンプライアンス要件との矛盾
データ保持要件やセキュリティ要件と最適化施策が矛盾する場合があり、事前の確認が必要です。
AWSのコスト最適化は一度で完了するものではなく、継続的な改善プロセスです。私の経験から、長期的な成功のためのポイントをお伝えします。
📊 定期的なレビューサイクル
週次：アラート確認と緊急対応、月次：コスト分析と小さな最適化、四半期：大きな購入計画の見直し、年次：全体戦略の再評価
👥 組織的な取り組み
プロジェクトマネジメントの観点から、コスト最適化は個人ではなくチーム全体で取り組むべき課題です。役割分担を明確にし、責任者を配置することが重要です。
🎓 継続的な学習
AWSサービスは常に進化しており、新しいコスト削減手法も定期的に提供されます。AWS公式ブログ、Well-Architected Frameworkの定期確認により、最新情報をキャッチアップしています。
💡 失敗から学ぶ姿勢
44歳でAWSコスト管理を本格的に学び始めた私でも、最初は多くの失敗をしました。重要なのは、失敗を恐れずに小さく始めて、経験を積み重ねることです。
🚀 ビジネス価値との両立
コスト削減だけでなく、ビジネス価値の向上も同時に実現することが重要です。適切な最適化により、コストを削減しながらパフォーマンスを向上させることは十分可能です。
📈 成果の可視化
コスト削減効果を定量的に測定し、ステークホルダーに報告することで、継続的な改善活動への理解と支援を得ることができます。
🔧 ツール活用の重要性
手動でのコスト管理には限界があります。AWS純正ツールやサードパーティツールを積極的に活用し、自動化を推進することが成功の鍵となります。
としゆき
