ラガーとエールの違いって何?国内でも購入できるエールビールとは

国内で流通しているビールは、大きく分けてラガービールとエールビールの2つに分けられます。ビールはよく飲むけれど、ラガーとエールの違いを気にしてなかったという人が多いのではないでしょうか。今回は、居酒屋などで披露できるラガーとエールの違いについてシェアします。

ビールの種類と風味の特徴

ビールの種類はラガービールとエールビールの2種類。日本国内ではラガービールのシェアがめちゃくちゃ多くて皆さんがいつも飲んでいるビールもラガービールだと思います。

ラガービールの風味と誕生時期

冷却技術が発達した19世紀になって爆発的に世界に広がったのがラガービール。ラガー(Lager)はドイツ語で「貯蔵」という意味。晩秋にビール樽を洞窟の中で氷と共に貯蔵して翌年の春に取り出すことから貯蔵(ラガー)と呼ばれたのがラガービールと呼ばれる由来です。

ラガービールの風味
  • キレがありすっきりとした苦味と爽快な喉越し
  • 冷たく冷やしてゴクゴク飲みたい味

エールビールの風味と誕生時期

メソポタミアに興ったシュメール文明(紀元前3000年頃)には、エールビールが作られていた記録が発掘された粘土板から読み解かれているそうです。他にも紀元前1700年代に制定されたハムラビ法典にビールに関する律法が記されるなど、長きに渡り親しまれているビールです。海外(得に欧州)ではラガーよりも人気があります。

エールビールの風味
  • フルーティーな味わいと豊かな香り
  • ラガーよりも泡が少なく、豊かな旨味

ラガーとエールの製法の違い

この2つの大きな違いはズバリ発酵させるための酵母。酵母菌が糖をアルコールに分解することを発酵と言います。この発酵の過程で下面に沈むのがラガービール、逆に上面に浮くのがエールビールです。ビール業界の専門用語ではそれぞれ下面発酵、上面発酵と呼ばれています。

ラガービールの製法

  • 下面発酵する酵母で製造される
  • 発酵は低温(5度から10度)で1ヵ月ほどかけて行う
  • 低温発酵のため雑菌が繁殖しにくく製造管理が簡単
  • 品質管理が比較的容易で大量生産に向けている
従来のラガービール製造
十分な冷蔵技術が発展していなかった中世のドイツでは冬季期間に洞窟などの冷暗所で貯酒していたそうです。近代になって冷蔵技術が進歩したことで世界中にラガービールが広がっていきました。

エールビールの特徴

  • 上面発酵する酵母で製造される
  • 発酵は常温(20度から25度)で2週間ほどで完成
エールビールが主流の国
欧州の国々では現代でもエールビールが好んで飲まれています。特にイギリスやベルギーではエールビールが人気。

代表的なラガービール

日本国内ではラガービールが主流。これから紹介するビールは目にしたことがあるはず。2018年の販売実績で3大ビールメーカーとされる、アサヒ、キリン、サントリーの主力ラガービール商品をご紹介します。

キリン 一番搾り

誰もが一度は目にしたことがあるであろうほど有名なキリン一番搾り。一番搾り麦汁のみを使って味の美味しさを追求している点がキリン一番搾りのユニークポイント。日本人の味覚を追求して日本人にマッチする雑味のなクリアな味に仕上がっています。

アサヒスーパードライがキレを追求したのに対し、一番搾りはコクと濃厚を意識して作られています。ポップの苦味、コクのある良好なバランス。ビールの苦味が好きな方にはベストな選択。比較的、ビール慣れした人向けの商品です。

アサヒ スーパードライ

パッケージのシルバーカラーと「アサヒ スーパードライィ!!」のCMでお馴染みのビール。低迷していたアサヒビールを業界シェアNo.1までV字回復させた実力のあるビール。

日本人の食生活の変化に対応して、苦味も甘さも抑え、コクよりもキレを追求したビールです。このキレは従来の製品よりも麦芽を減らし、副原料の比率を高めることで実現したそうです。この商品開発により誕生したキレ味をアサヒビールは「ドライ」という言葉で世界にリリースしました。

麦の香りは他社製品より弱めですが、スーパードライの爽快感は他社製品にはない味わい。ビールの苦味が苦手な方にはベストな選択。

サントリー ザ・プレミアム・モルツ

矢沢永吉やイチロー、石原さとみのCMでお馴染みのザ・プレミアム・モルツ。希少種のダイヤモンド麦芽から麦汁を得るための煮出しを2度行う「ダブルデコクション」や、香りを最大限に活かすための独自製法「アロマリッチホッピング」が特徴。ビール特有の香りを強く感じます。泡立ちが良く、苦味も少なく、ほどよい濃厚さとバランスのとれたビールです。

日本で手軽に買えるエールビール

ラガービールと比べて圧倒的に日本国内での販売数が少ないエールビール。それでも徐々にコンビニやスーパーマーケットで並ぶ商品が増えています。比較的手に入りやすいエールビールをご紹介します。

ヤッホーブルーイング よなよなエール

日本で購入できる代表的なエールビールと言えばコレ。エールビールを専門に製造するヤッホーブルーイングが製造、販売しています。エールビール特有の華やかな香りが楽しめます。

インターナショナル・ビア・コンペティションやモンドセレクションなど数々の賞を取って事実も実力を裏付けています。エールビールの実力ってどんな感じなの?と試してみる際には、このよなよなエールが超オススメ。

たぶん、日本国内で購入できるエールビールで一番おいしい。あまり見かけないビールなので購入に躊躇しがちですが、見かけたら1度は試して損はないエールビールです。

サントリー <香る>エール

お馴染みサントリーが製造、販売しているエールビール。大手メーカーの製品だけあって、コンビニ、スーパーで気軽に購入できます。こちらもエールビール特有のフルーティーさも十分。

苦味とコクが少なめなので、ビール特有の苦みが苦手な方にお勧めの1本。今すぐエールビールを試したいという場合でも、すぐに手に入る1本です。ザ・プレミアム・モルツのブランドで販売されているので、購入する際も安心感があります。

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