働き方改革とか業務効率化というキラーワードで、ITベンダーが企業に売りつけているRPA系ソリューション。”RPA(Robotic Process Automation)を導入すると、ロボットが定型作業を自動処理”なんて言葉でガンガン売り込みされていますね。
AI(人工知能)と混合するような売り方をしているケースもありますが、多くはExcelのマクロだったり、VBAで実現できちゃうケースが多い。でも、流行りのワードだし、労働者人口の減少で、しばらくは需要が見込めて、飯の種にできそうと考える人も多いはず。
今回は、NTTデータさんが認定している「RPA技術者検定」を取得する価値があるのかについて考えをシェアします。
RPA技術者検定を取得するメリット
- 業務効率化系の提案をする際に裾野が広がる
- RPAスキル(WinActor)を対外的にアピールできる
- 社内アピールや業務効率化コンサルなどへの転職の芽が生まれる
RPA技術者検定に合格したからRPAのエキスパートという訳ではないです。どちらかというと”NTTデータさんが販売しているRPAソリューションのWinActor(ウィンアクター)が使いこなせますよ”っていうスキルを認定する資格。
2019年11月時点でRPAの知識を認定する資格はまだまだ少ないこと、WinActorが2019年時点でRPAの国内シェアNo.1ってことから、RPAを飯の種にしようとするなら取得しておいて損はない資格です。
WinActorに限らずRPAは人間が手作業で行っている業務(作業)をシステム的にどのように自動処理するかを考えて設計していきます。WinActorを使いこなそうとすると、WindowsOSの知識やプログラミング的な考え方(アルゴリズム)の知識が必要になってきます。
なので、この資格試験で問われる内容も業務部門が取得して自動化を推進するというよりは、社内の情報システム部門に所属する人や、ITベンダーに所属する人が取得して、業務部門に作業内容をヒアリングしながらRPAを適用していくという動きを想定している資格に見えます。
なので、一般的な業務部門(ホワイトカラー業務)には必要ない資格だと感じました。
RPA技術者認定試験の内容
スキルレベルが3段階で設定されています。2019年11月現在、公開されているおはアソシエイト、エキスパートの2レベル。最上位となるプロフェッショナルは未実装です。
噂ではエキスパート試験に合格していることが前提条件になるそうなので、まずはエキスパートの合格を目指しておけば良さそうです。問題数は少ないながらサンプル問題も公開されています。

WinActorの基本的な使い方、基本的なシナリオ(操作手順)を作成したことがある方向けのスキル認定。
- 多岐選択肢式50問のCBT試験
- 試験時間は60分
- 受験費用は6,500円(税込)
- 正答率70%で合格
WinActorでシナリオを設計からテストまでできる経験が問われます。
誰かが設計したシナリオ(操作手順)を打ち込んでいくというよりも、シナリオを設計できる能力、設計時に必要となる関連知識(WindowsOS,Office製品など)がどれだけあるかが点数を底上げするポイントになりそうです。WinActorを触ったことがなけれな、かなり厳しい戦いになります。
- 実技試験を5問
- 試験時間は120分
- 受験費用は16,500円(税込)
- 試験会場は国内8か所のみで年4回
- 正答率60%で合格
受験料は、ベンダー資格ではありがちな1,5000円前後のラインを狙って設定されています。
北海道なら札幌、東北なら仙台など、各地方の主要都市で試験が開催されていますが、地方に1か所という点から受験料以外の費用が必要になってしまう点が少し難点。
まだ実装されていないスキルレベル認定。現在リリースされているアソシエイト、エキスパートの認定にはデータベースとの連携や、OSコマンドなどは範囲外になっています。
WinActorをバリバリ高度に使いこなそうとすると、データベースやコマンドの知識も必要になることから、今後リリースされるプロフェッショナル認定では試験範囲に含まれる可能性があります。
東京だけで認定試験が開催される予定とのことなので地方在住の方には受験しずらいです。
RPA試験の勉強を始める前に
NTTデータさんが無料で受講できるRPA入門講座を公開しているので、まずはこれを受けてみるのがオススメ。
参考 無料講座 RPA 入門講座ヒューマンアカデミー入門動画と理解度テストがセットになっているので「WinActorってどんな感じなのよ」って人にはピッタリだと思います。