僕が1カ月でPMP試験に合格するまでに取り組んだ学習内容のまとめ

僕が1カ月でPMP試験に合格するまでに取り組んだ学習内容のまとめ

これからPMP試験に挑戦する方向けに僕がPMP試験に合格するまでに取り組んだ記録をシェアします。2021年1月に改訂された大規模改定(コロナがなければ2020年7月に改訂されるはずだったPMBOK第7版対応バージョン)での受験なので、2025年くらいまでは現役で使える情報になると思っています。

準備編

2021年1月の試験改定で試験範囲や問題数、出題傾向が変更になりました。2020年12月以前にPMPを取得した会社の先輩などからアドバイスを受けたり、以前に発行された書籍だけを参考書として利用するのはリスクが高いのでご注意ください。ただ、PMBOK第7版の内容には第6版を参照という記述があるので、第6版について学習することも有用です。

2020年7月改定(2021年1月改定)の中身

2020年7月に改訂予定だったのですが、コロナウイルスの影響で2021年1月に試験内容が改訂されました。2021年1月から変更された主な内容は下記の6点です。

  • 試験範囲はPMBOKだけじゃない
  • 試験は230分で180問(60問の3セット)
  • 60問ごとに10分の休憩(試験時間に含まれない)
  • 新試験には四者択一だけでなく複数選択問題も登場した。
  • 出題内容が5つのプロセスから3つのドメインに変更。
  • 従来型(ウォーターフォール)だけでなく、アジャイルも追加

改定内容の詳細は、下記のリンク先にあるPMIの公式PDFをご確認ください。

参考 PMP試験の改定内容(2020年7月改訂)PMI公式サイトのPDF

試験範囲(Examination Content Outline)

出題割合としては下記の通り。PMIの公開している資料からはドメイン(ハイレベルの知識エリア)の中に、タスク(各ドメイン内におけるPMの責務)イネーブラ(タスク内の具体的な作業例)が記載されているので要確認です。

ドメイン(領域)出題割合
42%
プロセス50%
ビジネス環境8%
開発手法別出題割合
従来型(いわゆるウォーターフォール型)50%
アジャイル型50%

開発手法別の分類だと従来型とアジャイル型は50%ずつです。なので、アジャイル型のプロジェクト用語に慣れていない方は、重点的に対策しておかないと50%を落とすことになります。また、試験内ではウォーターフォールという言葉は使われず、従来型、もしくは予測型という表現がされるのでご注意ください。

PMP試験の受験資格

PMP試験は誰でも受験できるわけじゃない…という点が少し厄介です。2つの前提条件があるので条件をクリアしているか確認してから試験準備を進めてください。

受験資格1:プロジェクトの実務経験

プロジェクトの実務経験に必要な期間は最終学歴によって2種類に分類されます。

  • 4年生大学、大学院の場合は、経験期間が3年(36カ月)以上必要
  • 高校、短大、専門学校、高専などの場合は、経験期間が5年(60カ月)以上必要

なお、有効なのは受験資格の申請を行う月から8年以内のプロジェクトが対象になるため、10年前に関わったプロジェクトなどは対象外です。期間の重複はダブルカウントできないので、短大や専門学校卒の場合に受験資格を得るためには直近8年以内に5年以上のプロマネ経験が必要です。バリバリのプロマネ部隊に所属していないと厳しい条件になってきます。

受験資格2:既定の事前学習

最終学歴に関係なく、35時間の事前学習が必要です。本屋に行って書籍を買ってきて35時間読めばOKというわけではないです。PMIが指定した教育機関が実施する研修に参加する必要があります。

「PMP試験 研修」で検索すると教育機関のサイトがヒットするので、自分に合いそうなところを探して研修を受講してください。安価に抑えたいならセルフeラーニング形式の研修で英語視聴できるなら3万円程度、日本語なら8万円程度が最低ラインっぽいです。(会社が負担してくれないとキツい研修価格です。)

僕はオンラインの集合研修を受講しました。1日8時間近くで5日間の受講は集中力の維持が辛かったです。研修に参加している間に仕事も停滞するし、参加者全員のペースで進むため十分に理解していない項目を残したまま講義が進んでいきます。どうしても講師からリアルタイムで教育を受けたい!という拘りがなければ、自分のペースで学習できるセルフeラーニング形式が良いかもしれません。

としゆき

受験資格がそろったら、PMIのサイトから申請するだけ。詳しい申請方法は研修機関がレクチャーしてくれるので指示に沿って対応すればOKです。

試験対策編

試験対策に様々な問題集が販売されていますが、正直なところ問題集をたくさん消化して合格というのは微妙だと思っています。用語の意味や基本的な流れを理解しておくことは前提として、PMIイズムに則った思考ができるか否かが合否の分かれ目になります。

としゆき

実際のプロジェクトでは選択肢AもBも正解なんだけど、PMIイズムなら選択肢Bを優先すべき!という問題がほとんどです。

学習1:PMPの基本用語を理解する

公式35時間研修でPMIから公認教育機関に提供されるテキストが配布される場合は、そのテキストを利用して用語の意味を把握すればOKです。35時間研修の費用節約のために安価なeラーニング形式の研修を選択して教材がない場合には、市販のPMP対策本を1冊購入してください。

書籍を購入する目的は、利用される用語の意味を理解すること、ITTO(プロセスに対するInput、Tool & Techniques、Output)を理解すること、模擬問題で出題形式に慣れることの3点です。PMBOK第7版になって書籍自体も薄くなったのですが「詳細はPMBOK第6版を参照」という形で基本的なITTOは理解している前提の問題が出題されます。

書籍学習の流れ
  • 35時間研修を終えた時点で模擬問題を1回やってみる。
  • 理解不足と感じた部分を書籍で補強する。
  • 再び模擬問題に挑戦する。
  • 理解不足分野の補強。

PMP試験は英語版を機械的に日本語翻訳したような問題も多く、日本語として理解が難しい問題も登場します。PMP完全攻略テキストの中でも同じように日本語として理解が難しい問題がありました。本番試験を意識してわざと日本語を難しくしているのか否かはわかりませんが、実際の試験で悩んだら英語表示のボタンを押してみるのも手です。

学習2:気分転換しながら用語や使い方を理解する

固い表現ではなく、一度は読んだことがある童話をベースにPMBOKを解説している書籍や、身近なイベントにPMBOKの考えを適用してみるストーリーを通じて気分転換しながら理解をしていく進め方をしました。試験対策本と模擬問題に飽きてきた時に、勉強しつつ楽しめるので良い教材だと感じました。

PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント

僕が読んだときは第1版でしたが、2022年10月27日に第2版(PMBOK第7版対応版)が出版されました。「3匹の子ブタ」や「桃太郎」といった童話を通じてPMBOKのITTOを復習することができます。例えば、3匹の子ブタでは末っ子の子ブタはお母さんブタ(ステークホルダー)の期待(要求事項)を聞き取り具体化して役割分担表やWBSを作成し、リスク管理まで行うことで、計画通りに頑丈な家を建ててオオカミを撃退するストーリーになっています。

PMBOKはじめの一歩 スッキリわかるプロジェクトマネジメントの基本

童話でわかるプロジェクトマネジメントと同じく、PMBOKのプロジェクトマネジメント技法をストーリーを通じて理解していく書籍です。この本は童話ではなく、より現実的なイベントにPMBOKを適用していきます。家のリフォームや、オフィスの移転、夏まつりなど現実的な世界をベースにしています。なんとなく、何年も前に流行した「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」のPMBOK版かな…と思いながら読んでいました。

あくまで、この2冊は用語の意味や使い方を定着させるための利用法なので、これだけではPMP合格はできません。35時間の必須研修や試験対策本で見聞きした用語やITTOの知識をベースに「その使い方は認識通りだ」と答え合わせをしながら読んで知識定着していくためのツールです。

知識整理にオススメの教材

読むだけじゃなくて耳からもインプットしたい。視覚的に綺麗に整理された情報でインプットしたいという方には、Udemyで公開されている「PMP®認定試験」で一発合格を目指す! 効率的な試験対策のための戦略コース (2021) アジャイル対応」がオススメです。サンプル動画も公開されているので、下記のリンク先でチラ見してみてください。

試験範囲が8時間の動画にまとめられています。1周目でそれなりに頭に入るので、ダメ押しの2周目、3周目をやるとかなり効きます。PMP合格までに経験によって100時間くらいの学習が必要と言われているので、最初に知識体系の全体像をこの講座で掴んでおくと、あとの学習がスムーズになるという点ではオススメの教材です。

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「PMP®認定試験」で一発合格を目指す! 効率的な試験対策のための戦略コース (2021) アジャイル対応

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