貯金できない人の多くは「方法が悪い」「誰かに誘われて余計な出費が出た」などとお金が残らなかった原因を自分以外のところに求めがちです。また「自分の意思が弱かった」などと、自分の貯金に対する姿勢の甘さを責める人もいるでしょう。これらの理由はそれほど大きな原因とは言えません。もちろん数ある原因の1つの中には含まれるかもしれませんが、最も大きな要因はこうしたものとは違うところにあります。
貯金ができない大きな要因とは『なぜ自分は貯金ができなかったのか?』という問いに対して正面から向き合わなかったこと。無理な節約を試みたり、小手先の方法でお金を貯めようとしても、あくまでもそれらは手段であり、根本的な解決にはなりません。三ツ星シェフが書いた料理のレシピを手に入れても、料理する人の腕が下手だったらそれなりの料理しかできないのと一緒です。まずは自分が貯金ができない理由を改めて見つめなおしてみてください。そしてその理由を払しょくするための行動こそが、貯金を始める最初の取り組みなのです。
貯金のために今すぐすべきこと
分かりやすく言うと無意識に近い状態で収入から貯金するお金だけを別のところに移動させ保管すること。貯金しようなんて思うことなく、自然に使わないお金を残すことができたら、これほどラクにお金が貯まる方法はありません。
では貯金する習慣を身につけるにはどうしたらいいのか?まずは、今の生活習慣を見直すことです。そもそも今の生活をしているからついついお金を使ってしまい、結果的に貯金ができない状態になっているわけです。今の生活からお金が貯まる生活にシフトさせていく。
としゆき
習慣化されたものを変えるのはすぐにできるわけではありませんし、大なり小なりストレスがかかります。しかもお金の使い道そのものを変えるわけですから、いざ行動にうつそうにもすぐに実践できるものではありません。まず行動にうつる前に次の6つのことから取り組んでみてください。これらを取り組むことによってまずは思考から「貯金できる人間」にチェンジしていきましょう。
貯金に回すお金を収入から支出を差し引いたお金と考えると、節約次第によって多くもなれば少なくもなります。しかしこうした取り組みは生活の中にストレスを生み、非常に苦しい生活を強いられることになります。
まずあらかじめ貯金する金額を決めておき、収入が入った段階で貯金に回すお金を引き出して別のところに保管する。そして残ったお金で1ヶ月生活する。ようするに「収入‐生活費=貯金」ではなく「収入‐貯金=生活費」という考え方に変えるのです。
クレジットカードを使えば効率よく生活費を節約することができます。しかしそのためには、クレジットカードによるローンやリボ払い等がないことが前提です。クレジットカードのリボ払いやローンは借金と同じであり、必ず返さなければいけないものです。
もし現在リボ払い等の支払いが残っているのならまずそれらを全て完済してから貯金に取りくみましょう。クレジットカードを使用する際はリボ払いを組まず全て一括払いで支払うこと。借金を作っては貯金はできませんからこうした借金を作らないことが、貯金を作る基本です。
貯金をするお金はなるべく簡単に使えないところに保管しておくのがベストです。そのため、貯金用の定期預金口座を開設し、そこに毎月預入したりするなどといった環境を作っていきましょう。もちろん簡単に引き出せない状態であれば定期預金口座でなくても大丈夫です。
ネットバングやゆうちょ銀行の定期預金や定額預金でも問題ありません。貯金が預けてある口座のキャッシュカードは必ず財布から抜いておくこと。でないとATMから簡単に引き出すことができるため、せっかく貯めた貯金をついつい使いがちになってしまうからです。
実際に貯金を貯める前に「なんのために貯金をするのか?」を決めてから取り掛かりましょう。ここで決める貯金の目的はそこまでハードルの高いものでなくてもいいです。最初は10万円~30万円など数ヶ月で達成できるくらいのものに設定しましょう。
そして「貯金を貯めてほしいものを買う」といった明確な使い道も決めておくといいでしょう。そうすることによって「目標金額まで達成できた」という自信がつきます。この自信によって数百万や数千万円の貯金を作るためには欠かせないものなのです。
貯金をするためにはまず生活費を見直す必要があり、ムダな出費などを削るところから始まります。その際に食費や電気代などの光熱費から見直しがちですが、真っ先に見直すべきところは固定費です。
例えば携帯電話などの通信費や毎月支払っている保険料など。こうした毎月使っても使わなくても一定金額支払っている支出から見直し、少しでも安くできるかを考えましょう。そうすることによって年間数千~数万円の節約を簡単に達成することができます。
家計簿はただ収入と支出を明記して保管しておくものではありません。月によって節約できた支出や急に増えた支出などを見直し、お金の使い道を改めて考える機会を与えてくれます。だからと言って1円単位まで細かくつける必要はありません。
アバウトでもいいので何にいくら使ったのかくらいはつけておきましょう。最近はスマートフォンなどで家計簿のアプリがあります。こうしたアプリを活用すれば、いつでも簡単につけることができるので、わざわざ記帳するのが面倒な人はこうしたアプリを活用してください。
最後に:結果を求めすぎると貯金できない
貯金は長期的な視野を持って地道にコツコツ行うことによって、大きなお金を貯めることができます。ですが貯金を始めた時はまだ少ししか貯まっていないため、心なしかさみしい感じを受けるでしょう。そんな思いからか、焦りなどから「1年で100万円貯めよう」とか「3年で500万円貯金を作ろう」と大きな目標を掲げる人がいます。ですが、貯金に対して大きな目標を掲げた人のほとんどは挫折して結局10万円も貯まっていないのがオチです。
1年で100万円貯めることが悪いわけではありません。それだけの収入があるのならぜひ挑戦してもらいたいですし、きちんと生活ができているのであれば、チャレンジする価値はあるでしょう。年収300万円の人が1年で100万円貯金を作るとなると、年間200万円で生活する必要があります。
それに、貯金できない人の特徴でも挙げたようにお金を貯める明確な目標がなかったら、ただ苦しい思いをしてお金を貯めることになります。貯金は決して生活を犠牲にしてまですべきものではありません。月々の生活費からムダ遣いを減らすことによって、いずれ使うべき時のためにストックしておくお金が貯金です。
ただ単純に金額だけを追いかけて貯金をすると、節約を強いられる生活と自由にお金が使えないストレスで人生が辛く苦しいものになってしまいます。果たしてそうして貯めたお金に何の価値があるのでしょうか?お金に囚われてはいつまで経っても貯金はできません。使い道を「お金を貯める目標」に掲げて、生活に無理しないお金の貯め方を実践しましょう。