和歌山県九度山町への小旅行で、偶然立ち寄った九度山真田ミュージアムが予想以上に素晴らしい体験となりました。道の駅「柿の郷くどやま」から徒歩で向かう道中、川で遊ぶ親子連れや軒先に吊るされた灯篭から感じる地域愛、そして館内で出迎える真田三代の甲冑人形のインパクト。戦国時代の英雄・真田幸村とその一族の物語を、視覚的にも体験的にも学べる貴重な時間を過ごしました。
道の駅「柿の郷くどやま」から真田ミュージアムまでは徒歩約10分の道のりです。歩いている途中で最も印象的だったのは、清流で遊ぶたくさんの親子連れの姿でした。近くに川があり、川遊びが可能な環境で、子どもたちが自然の中で伸び伸びと過ごしている光景を目にすると、とても心温まるものがありました。

私が訪れた日も、川岸で水遊びをする家族連れがいくつもいて、子どもたちの楽しそうな声が響いていました。都市部では味わえない、自然と共生する九度山町の魅力を感じる瞬間でした。
町を歩いていると、各家庭の軒先に吊るされた九度山の灯篭が目に留まります。これらの灯篭からは、九度山という文化や地域を大切にしている住民の皆さんの想いが伝わってきて、この土地への深い愛着を感じることができました。
単なる観光地ではなく、地域の人々が誇りを持って暮らしている町だからこそ、真田幸村ゆかりの地としての価値も守られているのだと実感しました。

平成28年3月13日(日)にオープンした九度山・真田ミュージアムに到着すると、まず外観の美しさに驚かされました。武家屋敷風の建物として設計されており、周囲の古い民家が建ち並ぶ町並みと見事に調和しています。
建物廻りの軒先が低く抑えられているため、周囲の建物より面積は大きいものの圧迫感を与えることなく、町の景観にしっかりと溶け込んでいます。この配慮深い設計からも、九度山町の歴史と文化を大切にする姿勢が感じられました。
館内に入ると、まさに圧巻の光景が広がります。エントランスでは真田三代の甲冑が出迎えてくれるのです。真田昌幸、幸村、大助の三代にわたる甲冑人形は、赤備えの鮮やかな色合いが印象的で、まるで本物の武将たちが迎え入れてくれているかのような臨場感がありました。
私が最も感動したのは、甲冑人形の周囲が真田幸村の旗印「六文銭」の銭の形に型取られている演出でした。細部まで計算された展示設計により、来館者を戦国時代の世界へと一気に引き込む効果があります。記念撮影スポットとしても人気で、私も思わず何枚も写真を撮ってしまいました。
館内の展示は「上田時代」「九度山時代」「大坂の陣」「九度山異聞」「真田伝説」「十勇士伝説」の6つのエリアに分かれており、特に興味深かったのが真田家の戦いの歴史に関する部分です。九度山で過ごした14年間の生活を中心に、真田三代の生涯をパネル展示やドラマ仕立ての映像で紹介されており、歴史に詳しくない方でも理解しやすい構成になっています。

私が特に印象に残ったのは、幸村が九度山から大坂城へと向かい、大坂夏の陣で壮絶な戦いを繰り広げるまでの過程を描いた映像でした。見る者の心を揺さぶる内容で、関ヶ原の戦い後に父昌幸と共に九度山に蟄居を命じられた幸村の心境を想像すると、非常に感慨深いものがありました。
展示の中で最も興味深かったのが、隠し扉やからくり等の仕掛けが施された当時の真田屋敷を模した展示でした。子どもから大人まで楽しめる工夫がされており、実際に手で触れて体験できる仕掛けに、私も童心に返って楽しんでしまいました。

真田紐などの戦国時代の武具についても詳しく学ぶことができ、真田家の知恵と戦術の巧みさを実感できました。これらの展示を通じて、戦いの歴史が単なる武力の衝突ではなく、知恵と工夫の積み重ねであったことがよく理解できます。皆さんも実際に体験してみると、戦国時代の武将たちの創意工夫に驚かされることでしょう。
十勇士伝説のアニメシアターも設置されており、真田十勇士の物語を楽しみながら学ぶことができます。歴史的事実と伝説が織り交ぜられた展示内容は、真田家への理解を深めるのに最適でした。

印象的だったのは、大坂冬の陣と夏の陣の両軍の動きを解説するグラフィック展示です。一方的な戦いではなかったことがよく分かり、真田幸村の戦術的な優秀さと、それでもなお時代の流れには抗えなかった悲劇性が伝わってきました。

九度山真田ミュージアムは南海高野線九度山駅から徒歩約10分の場所にあります。開館時間は9:00〜17:00(最終入場 16:30)で、入館料は大人500円、中学生・小学生250円とリーズナブルな設定です。
館内にはエントランスでのお土産販売コーナーもあり、真田幸村関連商品や九度山町の広報担当宣伝部長「ゆきむらさま」のグッズなども購入できます。記念品を探している方にもおすすめです。
道の駅「柿の郷くどやま」から徒歩でアクセスできるため、観光の流れとして非常に効率的です。道の駅では九度山名産の富有柿を使った商品や、焼きたてのパン、九度山ばうむなどを購入でき、ミュージアム見学とあわせて九度山町の魅力を存分に味わうことができます。
本記事で掲載していない写真を私のGoogleMapレビューに掲載しています。場所の確認や他の訪問者の口コミとあわせて参考にしてください。
参考 九度山真田ミュージアムのGoogleMapレビューGoogleMap
九度山真田ミュージアムは、戦国時代の英雄・真田幸村とその一族の物語を、視覚的にも体験的にも学べる素晴らしい施設でした。特にエントランスの真田三代甲冑人形のインパクトは忘れられません。隠し扉や真田紐などの展示を通じて、戦国時代の戦いの歴史に触れることができ、歴史好きの方には絶対におすすめしたいスポットです。
道中で感じた九度山の温かい地域性と合わせて、この土地が真田家ゆかりの地として大切に守られていることを実感できる旅となりました。川で遊ぶ親子連れの姿や軒先の灯篭から伝わる地域愛、そして何より地元の方々の真田幸村に対する深い敬愛の念が、この町の魅力をより一層引き立てています。
和歌山県を訪れる際には、ぜひ道の駅「柿の郷くどやま」とセットで足を運んでいただきたいスポットです。皆さんも実際に訪れて、戦国時代のロマンと九度山町の魅力を存分に味わってみてください。