日本での開催は初となるラグビーワールドカップが開幕しました。TBS系列で放送されているテレビドラマ枠「日曜劇場」で放送されていた大泉洋さん主演のノーサイド・ゲームを見ていた影響か、ラグビーに少し興味が沸いていたこともあり開幕戦の選手紹介を見ていました。
そこでなんとなく感じた違和感。他のスポーツに比べて海外出身選手が多いということ。今回は、なぜラグビー日本代表には海外出身の選手が多いのかについて調べてみたのでシェアします。
帰化しなくても日本代表に参加できる
サッカーや野球でも海外出身選手が多く活躍しています。サッカーではラモス瑠偉や田中マルクス闘莉王あたりが僕の記憶には強く残っています。
ラモスも闘莉王も帰化して日本国籍を取得していたので、ラグビー日本代表も帰化した海外出身選手が多く登録されていると思っていましたが、ラグビーの場合は別のルールがありました。
自己の志望によって特定の国籍を取得し,その国の国民となること。日本の場合は、5年以上日本に住所を有する等の条件を満たしていて、法務大臣の許可することで日本国籍が取得できます。
日本代表という制度はないですが、大相撲でも親方株を取得する条件を満たすために、日本国籍を取得する力士もいます。
他のスポーツは所有する国籍によって代表選手としての権利を取得できます。日本代表になりたいなら、日本国籍が必要です。ラモス瑠偉や田中マルクス闘莉王がサッカー日本代表としてプレイできたのも帰化して日本国籍を取得したからです。
ラグビーの世界では国籍が代表選手の選考条件に関与しません。ラグビーの場合は国籍ではなく所属する協会によって代表に選ばれる権利を取得できます。つまり、日本のラグビー協会に所属することで日本代表選手になる権利を得るチャンスが生まれます。
日本のラグビー協会に所属し、かつ下記の条件のうち1つでも満たしていれば代表選手になれる可能性があります。
- 出生地が日本
- 両親および祖父母のうち1人が日本出身
- 日本に3年以上継続して居住
この3つの条件のうち、いちばんハードルが低いのが「日本に3年以上継続して居住」という条件。条件1や条件2は生まれた瞬間に決定されてしまう事項ですが、条件3は自分自身の行動で条件を満たすことができます。ラグビー日本代表に選ばれた海外出身選手は、この制度を利用して日本代表に選ばれています。
日本代表の外国人選手は信用できるか
答えはYESです。ラグビーは国籍ではなく所属するラグビー協会によって代表になれる国が決まります。ならば、日本代表を務めた後に別の国のラグビー協会に移籍すれば、他の国でも代表選手になれてしまいます。この方法で別の国の代表になる事例があったため、現在では禁止となっています。
現在、日本代表メンバーとして登録されている選手は他の国で代表選手になることはできません。そういう意味では帰化していない外国人選手も祖国ではなく日本の勝利のために尽くしてくれる貴重な存在です。
オールブラックス (英語: All Blacks)の愛称でお馴染みのニュージーランド代表チーム。このチームも全員がニュージーランド出身という訳ではありません。複数の外国出身選手が選出されています。ラグビーワールドカップのメンバー表を見ると、自国の国籍選手だけで編成されているチームはなさそうです。
ラグビーは走る力、耐える力、押し勝つ力など複数の力が必要なスポーツ。狩猟向けよりも農耕向けな身体的構造をしている日本人には不向きのスポーツです。日本人の中にもそれらに秀でている人もいますが、国内ではまだまだマイナースポーツゆえに世界で戦うための戦力に補強するためには外国人選手に頼らざる得ない状況なのだと感じました。
逆転の発想で言えば、日本人であってもラグビー世界一のオールブラックスのメンバーになることができるということ。強力な支援体制を持つ国の協会が札束をチラつかせて世界中から有望な選手を選手を寄せ集めるという使い方もできるルールなので、資本主義の力で世界一になれるチャンスが強くなる側面も感じました。